どこが勝つかわからない大戦国時代
令和3年5月23日から6月27日、インターハイ東京都予選が実施される。インターハイ予選の前哨戦とも言える、関東大会予選では、八王子学園八王子高校(以下、八王子高校)が東京都を制しており、インターハイ予選でも優勝候補として挙げられる。しかしながら、1年越しのインターハイ予選ということもあり、どの学校も例年以上に強い想いで臨んでくるに違いない。東京の代表としてインターハイに出場する高校(2校が出場可能)は、予想が全くつかない状態である。そんな中、関東予選の試合を分析して、現在の東京高校バスケの勢力を考察していく。

関東予選1位 八王子学園八王子高校
まずは、八王子高校。関東予選では、優勝しており、インターハイ予選でも有力候補である。八王子高校は例年通り、留学生選手が出場しており、#5ンジャイを起点としたオフェンスを展開している。加えて、#6管野や#9粟田といった外角のシュートがある選手もいるため、対戦相手は、内外ある攻めに苦しめられるだろう。
ディフェンスは、高身長である#5ンジャイを活かしたゾーンディフェンスを組むことが多く、非常に攻めづらい。多彩なオフェンスと#5ンジャイを活かしたディフェンスに対して、対戦相手がどのように攻略していくのか、インターハイ予選の見どころの1つである。

関東予選2位 東海大菅生高校
次に、東海大菅生高校。東海大菅生高校は、他のベスト4の高校に比べて、平均身長は高くない。そのため、スピード感のあるバスケが今年の東海大菅生高校の特徴である。ガードの#4水品と、シューターの#6須藤が、オフェンスの軸となっている。#4水品はスピードを活かした速攻、#6須藤は安定した3Pで得点を稼いでいる。
國學院久我山戦や八王子戦では、ビックマンプレイヤーに対して、いつも通りのプレーをさせないようなディフェンスをしていた。特に國學院久我山戦では、身長では劣っているものの持ち味であるスピードあるオフェンス展開で相手をリズムに乗らさせず、接戦の末、勝利した。インターハイ予選でもビックマンへのさらなる対策は徹底してくるだろう。関東予選の決勝で敗退した八王子高校とのリベンジマッチが楽しみである。

関東予選3位 國學院大学久我山高校
3校目は、國學院久我山高校。國學院久我山高校は、センターを中心としたローテンポ・ロースコアの試合展開を行う。200cmあるチーム1高身長の#8柳田や、パワーのある#10岡本とセンタープレイヤーが揃っている。しかし、今年のチームはセンタープレイヤーも使いつつ、#4末次、#11大柳と外角の選手も得点シーンに絡んでいた。加えて、スタメンにとどまらず交代選手も多いため、インターハイ予選ではより選手層の厚いチームになっているだろう。
インターハイ予選での、國學院久我山高校の1つの大きな壁は、ベスト4決めとなると考えられる。順当にいけば、対戦相手は、実践学園高校になるに違いない。
今年の実践学園高校は、全中優勝&MVPでスーパーエースである#2新井を中心としたチームである。去年のTokyo Thanks Match戦では、ベスト4決めで口惜しくも敗退している。昨年のリベンジで燃える國學院久我山高校が、乗ったら止まらない#2新井をどのように止めるか、大注目のカードである。

関東予選4位 日大豊山高校
最後は、日本大豊山高校。今年の日本大豊山高校は#38田副のガードを中心としたチームとなっている。#38田副は、高いハンドリング力とスピードでペイント内に入り、アシスト・得点を量産している。#38田副は確実にチームの司令塔であり、ベスト4進出・インターハイ出場へのキーマンであろう。また、ドライブインも得意とするシューター#36田島や、日本大豊山高校のリバウンドの要である#10佐治など、各ポジションにも選手が揃っており、非常にバランスの整ったチームと言える。
日本大豊山高校は、関東予選だけで見れば、2017年以来の4年ぶりのベスト4である。昨年のTokyo Thanks Matchでは、東京都3位でウィンターカップにも出場しており、非常に勢いのあるチームだ。今年のインターハイ予選での躍進劇に期待できる。

最後に
昨年度は、新型コロナウイルスの影響によりインターハイ予選を開催することができなかった。今年は、各高校、インターハイ予選にかける“想い”はいつも以上のものとなっているだろう。今年のインターハイ予選は、一瞬たりとも見逃すことのできない。